東欧の国ルーマニアで自分をみつめなおす。(3)
抜けるような青空と真っ白な雲、力強い日差し、からっとして澄んだ空気。
あきらかに日本の気候ではありません。ルーマニア独自の夏の気候です。
昔ながらの石畳の道に、中世を思わせる古い建物。
現実のような、夢のような時間がゆっくりと流れています。
自分を見つめ直す
Bar の軒先で飲むビールは最高にうまいです。
なんともいえない気持ちのよい時間です。
さすがに仕事もここまでは、追ってきません。
本当にリラックス出来ます。(でも最低限は気おつけます。)
あたりをみまわしても、日本人はわたしだけです。
相変わらず耳に入って来るのは、ルーマニア語だけです。
不思議なもので毎日ルーマニア人に囲まれていると自分もルーマニア人になった感じになってきます。
ときどきウインドウに映る自分をみて、ああやっぱり俺は日本人なんだなと思い出します。
日本から遠く離れたところで悩みについて考えると違った視点から悩み事を見ることが出来ます。
また、今までと違ったアイディアが浮かぶ事もあります。
日本から遠く離れることによって、日本にいるときの日常を客観的にみることができます。
あらためて、物事みる視点を変えてみることも大事だと実感できます。
パスポートについて考える
わたしたち日本人は、申請をすれば日本国のパスポートを手にすることが出来ます。
何気なく手元にある日本のパスポートですけど、調べてみたらなんと世界180カ国の国にビザ無しで入国できます。
調べてみると、2018年パスポートランキング1位でした。(シンガポールと同率)
2017年までのパスポートランキングは確か5位あたりで推移していたと思っていたのですが。
また、パスポートランキングで順位が下の方の国を見てみると、内戦があったり無政府状態の国などでした。
パスポートランキング上位の国は、いずれも政治的にも経済的にも安定している国ばかりでした。
ずいぶん昔のはなしになりますが、外国人の友人と一緒に映画を見に行きました。
監督スティーブン・スピルバーグ、トム・ハンクス主演の「ザ・ターミナル」という映画でした。内容は主人公の母国でクーデターがおこってしまったため、パスポートが無効になってしまい、入国も帰国も出来なくなってしまう映画でした。
主人公は、空港で完全に足止めをされてしまい、空港から一歩も外へはでられなくなります。もし空港の外へ出てしまえば、その時点で不法入国となってしまいます。
外国人の友人は、あまりパスポートの力が強い国から来たのではないので、自分と主人公をかさね合わせて映画を見ていたようです。
映画が終わり、食事をしているときに、とてもさびしそうな表情で「ウマレル クニ ハ チョイス デキナイカラ ネ」と言っていました。
日本人の私達が感じない、考えたことがない不安を友人は感じているのだと思いました。
今でも、その友人の言葉をときどき思い出します。